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もち米100% 添加物なし。鎌倉老舗力餅家のあんこ餅「権五郎力餅」

力餅2

多くの文化財や美しい景観で名高い鎌倉。
海も山も街も歴史的建造物も楽しめることで、通年賑わいが絶えないスポットです。

江ノ島電鉄長谷駅から徒歩約5分、必ずや足を止めて外観を見まわし 中を覗いてしまう店構え、そこが力餅家(ちからもちや)です。

力餅家外観
レトロな店舗
力強い毛筆の暖簾が目を惹く

 

私が高校生だった時に鎌倉遠足があり、グループでコースを決めて寺社を巡るというものでしたが、
私の第1希望はお寺でも神社でもなく、この力餅家でした。ええ、この頃から変わっていません(笑)。
残念ながら全く違うコースだったため、そばを通ることも叶わなかったのですが、
その後初めてこちらを訪れた時の感動を、今も忘れることはありません。

このことを友人に話したら、「そんな前からある店なんだー」
いやいや・・・高校時代もだいぶ前だけど、力餅家は創業1690年、江戸時代から続く老舗の和菓子屋です。

名物は「権五郎力餅」。
近くの御霊神社に祀られている“鎌倉権五郎景正”が大変な力持ちだったことから、この力餅が生まれたという逸話があります。

力餅外包み
1箱10個入り

力餅外箱力餅1

原材料は、小豆・砂糖・もち米のみ。
添加物は一切使用していないあんこ餅です。

近頃はいつまでも軟らかい餅菓子がありますが、
力餅家では毎朝炊くもち米のつきたてを販売しており、賞味期限は当日。
翌日には硬くなってしまいます。

お土産にしたい、翌日も食べたいという方には、求肥(※)を使ったものもあります。賞味期限は3日。
※求肥(ぎゅうひ)=白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練り上げたもの

力餅(求肥)
求肥の力餅はバラ売りあり

 

あんは、炊いた小豆をこして丁寧に練り上げた自家製。
きめ細かな舌ざわりながら、餅の弾力に負けない存在感。甘みがしっかりと感じられます。
あんと餅のバランスがまたちょうどよいのです。
春は季節限定のよもぎ餅となり、心待ちにしている方が多いそう。

力餅2

あんも餅も一番旨い状態で提供し、時代は変わっても製法はそのままに鎌倉の味を守り続ける力餅家。
300余年の歴史ある甘味を、鎌倉を訪れた際には是非召し上がってみてください。

 

住  所:〒248-0021 神奈川県鎌倉市坂ノ下18-18
電話番号:0467-22-0513

執  筆  者:加藤三和子

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井伊直弼も食べたかも?! いと重 道芝

創業文化六年、彦根藩井伊家御用達の和菓子店 いと重菓舗は、彦根城にほど近く、夢京橋商店街から一筋外れたところにある上品な佇まいのお店です。

彦根に来たからには、彦根の老舗和菓子を食べてみたい!ということで行ってきました。イートインはなかったので、棹物(羊羹やういろうなど、細長い形状で、切り分けて食べるお菓子。棹菓子ともいう)の「道芝」をチョイス。帰宅して、早速切り分けて食べてみました。はい、こんな風に細長い箱に入っているのをお好みの厚さでカット。

 商品説明には「こし餡を黄身しぐれ餡で包み、さらにその周りを秘伝の生地で包みました」とあります。真ん中のこしあんは濃厚な甘さで幾分かため。黄味しぐれ餡はその周りの緑色が濃くなってるところなのでしょうか、それ単体では良く分かりませんでした。

そして周りの「秘伝の生地」の部分はそれこそ黄味しぐれ餡(「しぐれ」とは「時雨饅頭」の略で、をこねて蒸した和菓子。餡に卵黄を混ぜるため「黄身しぐれ」という。蒸しあがったときにできるひびを時雨に見立てた和菓子である。ウィキペディアより抜粋)のような、和風のスポンジケーキと言ったら分かりやすいでしょうか、さらり、ほろりとした食感で、甘さ控えめの生地です。

全体を一度に口に入れると、濃厚で滑らかなあんこと、ほろほろした生地が口の中で合わさって、とても楽しいです。そして、甘さの後は抹茶の風味が鼻から抜けていきました。緑色の生地には抹茶の風味が付いていて、濃厚さの後に来るさわやかな後味が、とても新鮮な驚きでした。

「道芝」というのは、言葉自体は「道端の草」というような意味ですが、いと重さんのサイトによりますと

「彦根藩は京都を守護する任務を負っており、いざ京都に大事あるときは、琵琶湖を御早舟で二刻ほどで京都へ駆けつける湖上水軍が備わっていました。平時においては、参勤交代から藩主の帰国の連絡があると米原港まで迎えに行き、舟歌を歌いながら彦根城へお連れしました。その湖上水軍の舟歌に「法の道芝」と名づけられたものがありました」とあり、この「道芝」というお菓子はその舟歌にちなんで名付けられたんだそうです。う~ん、なんだかすごい。

今回は茶道を究めた井伊直弼に思いを馳せ、お抹茶とあわせてみました。

濃厚な甘みと、鼻に抜けるさわやかなお茶の風味が、彦根から京都への道筋にある草いきれを連想させるような、そんな歴史と情緒のあるお菓子でした。

 

いと重菓舗(本店)

 

住所 〒522-0064 滋賀県彦根市本町1-3-37

電話番号 フリーダイヤル:0120-21-6003 / 代表:0749-22-6003

FAX番号 0749-26-2645

http://www.itojyu.com/brand/

 

 

 

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赤飯にくるまれたあん入りまんじゅう!埼玉県の郷土菓子「いがまんじゅう」

いがまんじゅう

いがまんじゅうは、埼玉県県北(鴻巣市・羽生市・加須市・久喜市あたり)で古くから親しまれている郷土菓子です。

一見赤飯おにぎりのようですが、赤飯の下はあん入りのまんじゅうです。
農林水産省選定の全国郷土菓子百選に選ばれ、祭りや祝い事の縁起物として地域に喜ばれています。

羽生市出身の友人に「是非食べてもらいたい」と以前から勧められていた いがまんじゅう。
まんじゅうも赤飯も大好物だけど、一緒に食べるとはどういうこと?
とても興味深いけれど、残念なことに現地へ出向かないと手に入らず、見送り状態となっていました。

ところが先日、思わぬところでそのチャンスが巡ってきました。

友人達とバスツアーで栃木県へ向かう途中、東北自動車道羽生PAで休憩をとることに。
友人がすぐに「売店にある」と検索してくれたので小走りに直行。
正午頃でしたが残り7個。手に入れられたのはラッキーでした。

 

羽生PA
東北自動車道 羽生PA(下り)Pasar

 

羽生PA売店
買い占め注意(笑)

 

いがまんちゃん
羽生市のゆるキャラ「いがまんちゃん」
頭の上にお赤飯がのってます

 

“いが”と名付けられたのは、「まぶした赤飯が栗のいがと似ているから」とのこと。
まんじゅうと赤飯をなぜ合体させたかについては、
もち米が貴重だったのでボリュームを出すため、農家のお嫁さんの手間を省くため、農作業の合間に一度で食べられるため、など諸説あるようです。
元々店の商品だったのではなく、農村の家庭で作られていたものだそうです。

いがまんじゅう

いがまんじゅう断面
びっくりなビジュアル

 

恐る恐る一口食べてみたところ、不思議なことに全く違和感がありません。
赤飯の粒や香りが口に残ることもなく、皮と一体化しています。
ふかふかの皮の中のあんは甘さ控えめ。
赤飯もあんも主張し過ぎず、少しずつの引き算がとてもよい塩梅(あんばい)です。

たしかにこれは、おにぎりに比べてもち米の量を抑えられ、ボリュームもあり、忙しい農家の方の手が省け、農作業の合間に簡単に食べられます。
合理性から生まれた穀倉地帯の郷土菓子。おもしろいですね。

友人によると、赤飯が多いもの・少ないもの、つぶあんのもの・こしあんのものなど、店により異なるとのこと。
食べ比べて好みのタイプを見つけるのも楽しそうです。

私が今回いただいたのは、赤飯少なめのつぶあんタイプ。
小麦粉は埼玉県産、もち米は羽生市産であることに地元愛を感じます。

いがまんじゅうを製造販売している店舗はいくつかあるようですが、
ここでは羽生PAで購入したものをご紹介するに留めます。
埼玉県県北方面を訪れる機会がありましたら、是非召し上がってみてください。
和菓子の世界が広がること間違いなしです。

 

【コスモス工房】
住       所:〒348-0011 埼玉県羽生市三田ヶ谷1725
電話番号:048-565-5434

執  筆  者:加藤三和子

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端午の節句に たねや 柏餅

彦根に遊びに行ってきました。彦根といえば滋賀、滋賀といえばたねやさんということで、彦根城近くのお店に。

魅力的なお菓子がたくさんありましたが、ここは時季のものということで「柏餅」をチョイス。この時店頭にあったのはこしあんでしたが、もう少し早い時間だと、粒あんと味噌あんもあるようでした。

家に帰って早速いただきます。大きな柏の葉に包まれた半円形のお餅は、真っ白でツヤツヤしています。葉っぱごと手に取ってかぶりつこうとすると、柏の葉のなんとも言えないさわやかな香りが鼻をくすぐります。ああ、5月なんだな、初夏なんだなと、気持ちが弾む瞬間です。

つやつやしたお餅がくるまれています。いい香り!

お餅は真綿のように真っ白で分厚く、端を少し噛んだだけではあんこが出てこないほど。ムチっとしていながら、噛み切る時には伸びることはなくプツンと噛み切れます。お餅のほんのりとした甘さが口中に広がるのが心地よいです。

あんこはかなり甘さ控えめで、水分量も若干多めな印象です。あんこだけを味わってみると、実にあっさりしていて、口当たりもさらりとしています。さらりというよりもふんわり、と言った方がいいかもしれません。口の中でシュワシュワと溶けていきそうな、そんなエアリーな食感です。和風のムースと言っていいんじゃないかと思ったほどです。

断面はこんな感じです

エアリーなこしあんを包む、真綿の布団のようなお餅。さらにそれを爽やかに包む柏の葉。一度に食べると爽やかな香りとムチムチのお餅、そして溶けてしまうあんこ。甘みもお餅の甘さと合わさると、ちょうどころあいの甘さになってなんとも幸せです。

柏餅、というのは江戸時代に出来たお菓子だそうです。柏の葉は新芽が育つまで古い葉が落ちないところから、子孫繁栄、家系が絶えないという縁起を担いで使われているのだとか。それを端午の節句に食べるというのは、なるほど納得のいくことだなあと思いました。

柏餅から柏を取ったら、これはこれで美味しいのだけども、きっと違う名前のお菓子になるのだろうなと思いました。この柏餅の最大の特徴は香り。風味を楽しむお菓子なのですね。その香りを楽しみながら、子どもの健やかな成長を祈る。柏餅はさわやかな季節にふさわしい、さわやかなお菓子でした。

たねや(本店所在地)

〒523-8558
滋賀県近江八幡市宮内町3
TEL:0748-33-4444

https://taneya.jp/home/index.html

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一度食べてみたかった!!「シベリア」

映画「風立ちぬ」で、主人公堀越二郎が買い求めていた「シベリア」というお菓子。NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」でも登場していました。

そ、それは何?!とずっと気になっていました。実は、以前こちらに投稿した橘屋さんの「左女牛井」というどら焼き

https://www.azuki.tokyo/archives/2452.html

を食べた時にも「もしかして、シベリアってこんな感じなのかなあ?」と思ったのです。でも、私の周辺では見る限り、シベリアはどこにも売っていません。地域性のあるものなのかしらん?と思い、何となくそのままになっていたのですが、先日、よく行くスーパーのパン売り場で見つけました!!やった~!!

初めて買ったシベリアは、青森の製パン業者「工藤パン」製。パッケージに「ぐるり東北食めぐり」とあります。東北で売っている物にこんな表記はないだろうと思うので、これは県外用の商品なのかな?とぼんやり考えてみたりしつつ、早速、食べてみることにします。

前情報として、カステラであんこをはさんだお菓子、とあったので、そのつもりでつまんでみたら、もっとずっとふわふわしてました。カステラというよりは、スポンジケーキですね。

食べてみると、ふわふわの皮(?)の中に、みっしりとしたこしあんが詰まっていて、食感の変化が楽しいです。あんこ自体はそこまで甘くはないのですが、ほんのり甘さのある皮とあいまって、しっかりした甘さになります。そして、後味にほんの少しの塩味を感じるのです。お汁粉の塩、みたいな。

これは後をひきますね~!!

あんこをカステラで「はさんだ」物、と思っていましたが、挟んであるというよりは密着しています。そしてこのあんこは、こしあんというよりは羊羹です。そう思いながら材料表記をみたら、「こしあん 寒天」と書いてあり、やっぱりこれは羊羹なのだと思いました。

今回はコーヒーをあわせてみました。羊羹にコーヒー?と思うかもしれませんが、シベリアとの相性はとてもよくて、あっという間に一切れを食べてしまいます。これは気をつけないと全部一気に食べてしまいそう。

そんな訳で、初めてのシベリアは、「カステラであんこをはさんだもの」、というよりは「スポンジケーキで羊羹をはさんだもの」という感じでした。

食べ終わってから、遅まきながらシベリアについて調べてみました。

「羊羹や小豆餡はサンドイッチのように、スライスしてカステラに挟み込んでいるのではなく、トレーにカステラを敷いてから融けた状態で流し込み、さらにその上にカステラを被せるので、羊羹とカステラが癒着しているのが大きな特徴である。自前でカステラを製造したり、小豆、寒天を煮て、羊羹を作るところから始めなければならず、製造に手間がかかる。従って、需要が少なくなった現在は、製造者が減少傾向にある。」

首都圏を中心とした東日本と中部地方では広まっており、近畿以西の西日本ではあまりなじみがないと言われている」

「現在では山崎製パン、工藤パン等大手製パン会社からも販売されているが、出荷は東日本に偏る傾向がある。」

「発祥地から考案者、名称由来、食品分類に至るまで未だ正式な解明がなされていない。ただ、かなり古い歴史があるようで、1916年創業の横浜のコテイベーカリーによれば、誕生は明治後半から大正初期頃で、当時はどこのパン屋でも製造していたとの記録がある。」

~以上ウィキペディアより抜粋~

やっぱり西日本では売ってない、そして最近ではあまり作っているところがないのですね。そして、皮とあんこは密着してるものなんだ!やっぱり羊羹なんだ!って納得しました。

シベリアというお菓子、これはこれで沢山のバリエーションがありそうなので、これからも見つけ次第、試してみようと思います。

工藤パン
http://www.kudopan.co.jp/

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舟和のあんこ玉がパンダになった「ぱん玉」

舟和ぱん玉

あんこ玉と芋ようかんで有名な、創業1902年の舟和。

私が食してきた数多くの市販和菓子で、最も古い記憶が舟和のあんこ玉です。
超シンプルながら、艶やかで雑味のないなめらかな舌触りは、幼い私にもわかる旨さでした。

 

その舟和が、2015年春からJR上野駅構内『ecute(エキュート)上野』限定で、かわいいパンダのあんこ玉「ぱん玉」を販売しています。

舟和店頭ぱん玉

花や生き物を模した上生菓子は目を惹く美しさですが、まん丸のあんこ玉をパンダにしてしまうとは何ともユニーク。
「ぱん玉」というネーミングもチャーミングです。

ひとつひとつが職人さんの手作りで、毎日数量限定での販売となっています。

数多く作れないのも納得のクォリティーの高さ。
通りがかりの人も思わず二度見してしまう愛らしさです。

舟和ぱん玉外箱

舟和ぱん玉ケース
男の子、女の子、ひとつずつケースに

 

舟和ぱん玉

実によくできています。機械のような精密な職人技にしばし感動タイム。
よくよく見ると顔の向きなどが少し異なり、その表情の違いもまた愛嬌です。

舟和ぱん玉顔アップ
ズームアップも問題なしのビジュアル
直径約4cm

 

舟和ぱん玉後頭部
後頭部もキュート

 

あんこ玉は一色のあんこでできていますが、ぱん玉はどうなっているのでしょう。
ごめんなさい、切りますね。

舟和ぱん玉断面
断面もパンダ色

 

小豆で作られた黒あんが白あんに包まれています。
目・鼻・耳は黒の寒天製、表面は薄い寒天で覆われています。
原材料はあんこ玉と同じ、あん・砂糖・寒天・水飴・食塩。

白あんのみの直径4cmの球体を食べるのは大変ですが(あんこ玉の大きさにも意味があるのですね)、
中に黒あんが入っていることで、2色の味を楽しみながら最後まで美味しくいただけます。

白あん部分は白のあんこ玉と比べ、若干色と風味が違う気がしますが、
口どけのよいなめらかなこしあんは、パンダになっても変わらず老舗の味を守ってくれています。

 

かわいさと旨さは保証済み、しかも数量限定発売なので、早い時間に売り切れてしまうことも多いようです。
私が訪れたのは午前11時頃ですが、残り6箱ほどでした。

舟和「ぱん玉」は、ecute(エキュート)上野の「みやげ菓撰」内にてお求めになれます。
日持ちは購入日を含め3日。
上野みやげにいかがでしょうか。

 

【舟和 ecute上野「みやげ菓撰」内】
住       所:〒110-0005 東京都台東区上野7丁目
JR上野駅構内(改札内)3階
電話番号:03-5826-5663
U   R   L :https://www.ecute.jp/ueno/shop/496

【舟和本店】(ぱん玉の販売はありません)
住       所:〒111-0032 東京都台東区浅草1-22-10
電話番号:03-3842-2781
U   R   L :http://funawa.jp/

執  筆  者:加藤三和子

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和菓子業界に革命を起こした大角玉屋「いちご豆大福」

いちご豆大福断面

約30年前、和菓子業界に新たな歴史が誕生しました。
すでに和菓子を食べ歩いていた私は、この衝撃を今でもよく覚えています。
いちごが丸ごと入った大福の発売です。

「大福にフルーツ?いやいや、邪道だわ・・・」とは当時の私の声。
一時的な話題狙いだろうと思いきや、いちご大福は瞬く間に全国的ブームを巻き起こし、今も人気が衰えることのない大ヒット商品となりました。

今では多くの和菓子店で見かけるいちご大福ですが、
あんと生の果物の組み合わせが苦手な私が、初めて「また食べたい」と思えたのは、
最初に考案し販売したと言われる創業1912年の大角玉屋(おおすみたまや)のものでした。

正確には『いちご“豆”大福』。

「何かのきっかけで和菓子の時代が来るだろう」
という新聞のコラムを読んだ大角玉屋三代目 大角和平氏が、1985年、いちごが乗ったショートケーキをヒントに発案・販売したのだそうです。
特許も取得されています。

大角玉屋銀座店外観

仕事帰りに銀座店を訪れましたが、お目当てのいちご豆大福はつぶあんもこしあんも完売。
保存料を一切使用しておらず作りたてを当日中に売り切るため、夕方には購入できないことも少なくありません。
電話予約で取り置いていただくのが確実です。

 

小豆は北海道十勝産、赤えんどう豆は富良野産、もち米は宮城産みやこがね、いちごも国産。
季節限定商品とする店が多い中、大角玉屋では年間を通して販売しています。

いちご豆大福外包

いちご豆大福
直径約5.5cm、重さ約100g

 

軟らかく、持った指の形に餅がへこんでしまいます。
小豆といちごの鮮やかな色味からも、厳選された材料であることがわかります。

いちご豆大福断面
こちらはつぶあん
軟らかすぎて上手に切れない

 

口に運ぶと、まずいちごの香りと風味がいっぱいに広がりますが、甘さ控えめのあんが、それに消されることなくちょうどよく混ざり合ってきます。
「また食べたい」と思えたのはこのバランス。

いちご大福は大福です。
いちごが主張しすぎて本来の大福の旨味を封じ込めてしまったら、それはもう大福ではない。

大福といちごは別々にいただきたい、とこのブームに乗り遅れた私ですが、
大角玉屋のものは甘いあんと甘酸っぱいいちごがどちらも活きたまま味わえ、いちごをわざわざ入れた豆大福として成り立っています。

それもそのはず。あんはいちごの風味に負けないように渋抜きを加減し、いちごはあんと相性のよい品種を厳選しているとのこと。
相手の個性に合わせ、少しずつ歩み寄せて生まれたものなのですね。

 

今回訪れた銀座店では、店舗限定・期間限定・販売個数限定の『銀座特選 いちご豆大福』(つぶあんのみ)を販売しています。

銀座特選いちご豆大福外包

銀座特選いちご豆大福
きめの細かさが食べる前からわかる

銀座特選いちご豆大福断面

小豆は京都丹波大納言、餅は幻の滋賀県産「羽二重もち米」、いちごは旬の最高級のもの(今回は「あまおう」とのこと)、そして水は三国連峰の名水「吟水」という、最高級原材料を使用して作られているそうです。

大きさは前出のいちご豆大福と変わりません。
上生菓子のような上品な舌触りで、かぶりつくより黒文字でいただきたい感じです。
あなたはどちらがお好みでしょうか。

大角玉屋銀座店ショーウィンドー

 

【和菓子処 大角玉屋本店】
住       所:〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-25
電話番号:03-3351-7735
【銀座店】
住       所:〒104-0061 東京都中央区銀座西3-1 銀座INZ1
電話番号:03-3563-1535
【四谷店】
住       所:〒160-0004 東京都新宿区四谷3-6
電話番号:03-3358-8612
U   R   L :http://www.oosumi-tamaya.co.jp/

執  筆  者:加藤三和子

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老松の月餅 香果餅

毎度のことながら、デパ地下の和菓子売場をうろついていたら、老松さんの売り場で「月餅」の文字を見つけました。げっぺい…??

「これ、月餅ってあの、中華菓子の…?」思わず駆け寄って店員さんに聞いてみます。
「はい。ドライフルーツを混ぜ込んだあんこの周りに、そぼろをつけて焼いています。京風です」
京風。
「で、あんこは何あんですか?」
「白あんと、粒あんが使われています」
「ください!」
「ありがとうございます」

あんことドライフルーツで中華菓子で京風。これは、試さずにはいられません。香果餅、と書いて「こうかもち」と読むそうです。月餅と言えば秋のイメージですが、販売時期を尋ねてみたら「通年です」とのこと。ちなみに、人気ナンバーワン、とキャプションが貼ってありました。何の人気だったかな…??(笑)

さて、早速食べてみます。大きさはちょっと大ぶりなクッキーくらいです。手で割ってみると、ほろりとしていながらしっとりとしています。中には沢山のドライフルーツが見えてます。

老松さんのサイトを見ると、このお菓子はドライフルーツを混ぜ込んだ白あんを小豆の粒あんで包んで、そぼろ状の生地をつけて焼いたもの、とあります。この「そぼろ状の生地」というのは、材料に小麦粉や砂糖、バターや鶏卵が使われていることから、ケーキやクッキーといった洋菓子の生地であるようです。確かに食感はしっとりしたクッキー。

食べてみると、はじめはやはり、洋菓子の風味です。が、そのあとにあんこの甘みが、なんというか口の中でマーブル状に、そぼろ生地と交じり合いながら感じられます。べたっと来る甘みではなく、軽やか。そしてそこに、ドライフルーツの酸味がアクセントとしてやってくるのです!あ、これはパイナップル。これはレーズン、おお、オレンジピールも!!という風に。フルーツは食感としてのアクセントにもなっていて、これは楽しい!!あんことドライフルーツ、合いますね!!

どこが京風なのか…?と考えてみましたが、一般的な月餅はドライフルーツではなくナッツが入っていて、皮もそぼろではないですね。おそらく、老松さんオリジナルの月餅だから京風、そして何より、味わいが中国の物よりずっとあっさりしているから京風、という事なのかなと思いました。

とにもかくにも、和洋中が一緒になって楽しめる、複雑でいながらよくまとまった、豊かで贅沢な楽しいお菓子でした。今回は日本茶をあわせましたが、中国茶でもきっと美味しいだろうなと思います。

老松(北野店)

住所 : 京都市上京区北野上七軒
電話 : 075-463-3050
FAX : 075-463-3051
http://oimatu.co.jp/

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お葬式や仏事で出される和菓子

青白饅頭。弔事につかわれます。白だけでそろえられるところも。

子供の頃、葬式まんじゅうが実はとても楽しみだったんだと言う話を、おじいちゃんやおばあちゃんから聞いたこと、ありませんか。

今では大きな葬式まんじゅうを出す風習はだんだんと行われなくなってきています。が

それでも仏事に和菓子屋が活躍するしきたりは、まだ残っています。

仏事に関する和菓子ことをお聞きしたのは、神奈川県藤沢市にある御菓子処 丸寿 のご主人 岡崎秀一様 です。

 

和菓子が屋台や出前だった時期

 

江戸時代ころの和菓子職人さんは、前掛けをして屋台をひいたりして、店を構えていないのが和菓子屋の始まりでした。
つまり、まだその頃は、葬式に供される和菓子も、凝った道具でつくる菓子ではなく、葬式が行われるその場に職人が出向いて作るものだったのです。

 

飾り大福の作られ方

カラフルですね。上生菓子の絵かとおもったら、葬式にだされる飾り大福の説明図でした。
カラフルですね。上生菓子の絵かとおもったら、葬式にだされる飾り大福の説明図でした。

今では見られることが少なくなりましたが、お葬式のときに用意される、飾り大福のセット。
これも、道具を使わず、職人が現地でへら1本で仕上げることができる作り方が、この葬式のときの飾り大福の原型です。
いまも、昔ながらの作り方は、この素朴な作り方を踏襲されています

例えば道具は、いまでも、へら1本と、手だけです。
材料も、あんこと餅のみです。
色も、黄色と赤色、そして青のみで作られています。
また餅も、黄色と赤色、青色の3種類をつくり、これをまぜることで5つすべての飾り大福が出来上がります。

 

作り方の順番も、少ない素材でうまく出来上がるように工夫されています。

 

まず一番はじめに、右下の米(よね)が作られます。
白い大福です。米(こめ)を表します。

 

次に、りんごの大福をつくります。
白にくちなしの色を足して作った黄色の餅で大福をつくります。
そこに、赤い紅を吹き付けて、出来上がりです。
これは真ん中に置かれます。

 

三番目に、左下に置かれる椿が作られます。
りんごで使った黄色いくちなしでしべをつくり、紅を使って花弁をつくります。

 

そして1番最初に使った米(よね)と、椿の赤を混ぜ、薄ピンク色にします。
これで干し柿ができます。干し柿のシワの部分は三本指でつけます。
ヘタの部分は、あんこを丸めたのと、黒文字とで表現されます。
干し柿は、右肩上にの置かれます。

 

最後にしぶい茶色で作る、松が作られます。
これはりんごと、椿と、米(よね)と、干し柿につかった、すべての色の大福餅を合わせると、渋い色になります

これが、葬式まんじゅうの原型と呼ばれています。
いまでは、ふつうに白い大福を5つ並べる地域のところもあります。

春日饅頭。シキミやヒノキなど、手近にあった葉で焼いたのが、今の春日饅頭の焼いた模様の元になったのだそうです。
春日饅頭。シキミやヒノキなど、手近にあった葉で焼いたのが、今の春日饅頭の焼いた模様の元になったのだそうです。

春日饅頭

時代がすすみ、小麦粉を膨張剤で膨らませる技法が一般く出回るころにでてきた形です。
もともとは、お通夜に集う人に振る舞った饅頭と言われています。
シキミやヒノキなど、手近にあった葉で焼いたのが、今の春日饅頭の焼いた模様の元になったと言われています。

 

青白饅頭

青白饅頭。弔事につかわれます。白だけでそろえられるところも。
青白饅頭。弔事につかわれます。白だけでそろえられるところも。

上用饅頭の技術が浸透し、和菓子屋で作ったものを配る風習が広まったと同時に、広がった和菓子と言われています。
上用饅頭の形が、いまのように腰高の形になったのは大正デモクラシーから昭和の時代にかけてと言われています。
その頃の小豆餡は、かなり甘かったとようで、砂糖が多いため、かなり柔らかな餡でした。
あんこが柔らかいと、腰高の形を作りにくく、上用饅頭を作る技術には、非常に高度な技術が必要でした。
そんな技術の高い、高価なものを、菓子屋に頼んで作り、配ることが風習としてでてきたというわけです。

 

いくつ配る?

最近は、甘いものの需要がすくなくなり、葬式饅頭もだんだん見られなくなってきたと言われます。
なので、作るとしても、大きなものでなく、小さなものを。
そして、5つ出すのではなく、2つお配りする、というところもあります。

葬式饅頭は、古いものを懐かしく思って召し上がっていたってだける方がいらっしゃるから、なるだけ昔ながらの形や味を変えないようにしたい。
そういった和菓子屋さんの思いが伝わる商品です。

 

葬式饅頭は、通常は店頭にはありません。
特注品です。
不謹慎といわずに、甘い、大きな饅頭を、もし興味があられたら、特別に注文されてもいいかもですね。
もしくは、葬式饅頭が配られているところに出くわしたら、ぜひ一口あなたも、おすそ分けもらってみてください。
故人の旅立ちを一緒によろこんでくださる方として、きっと、ご親族から喜ばれることでしょう。

 

執筆 和田美香

 

写真素材提供 御菓子処 丸寿
情報提供 御菓子処 丸寿 岡崎秀一様

御菓子処 丸寿
(運営 有限会社丸寿菓子店)
神奈川県藤沢市羽鳥3-20-9
tel.0466-36-7938
http://www.shonan-sh.jp/shop/marusu

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北陸福井では冬にこたつで水羊羹を食べるのが当たり前!えがわの「水羊かん」

えがわ水羊かん外箱・羊かん

※公的には「水羊羹」、えがわの水羊かんについては「水羊かん」(商品名)と使い分けしています

冷たい水羊羹は喉ごしがよく、夏には私も度々いただきますが、北陸福井では寒い冬が水羊羹の季節だということをご存知ですか?

冬季限定で11月になると福井の街に並び、夏季の製造販売はありません。
温かいこたつで冷たい水羊羹を食べるのが福井の冬の風物詩です。

福井には水羊羹の販売業者が複数ありますが、ご紹介するのは、私が福井にご縁あってから毎冬いただいている『えがわの水羊かん』です。

えがわは創業1937年。
戦後は水羊かんの製造販売に力を注ぎ、1994年には和菓子のオリンピックと言われる全国菓子大博覧会にて名誉総裁賞を受賞。
名前も味も全国区のはずなのに、全国民の目に触れる機会が少なく、誰もが口にしづらいなんてとても残念なことです。

 

そもそも福井では水羊羹をなぜ冬に食べるのでしょうか。

その由来には、『糖度が低いため日持ちしないので、福井の厳冬が保存に向いている』など諸説あるようですが、えがわの水羊かんのしおりには『丁稚(でっち)羊かんの流れをくむと思います』と記されています。
大正~昭和の頃、関西へ奉公に出た丁稚さんが正月の里帰りの折りに持ち帰った羊羹が、福井の冬の菓子として定着したのかもしれません。
いずれにしても、福井の家庭では大晦日もお正月のお節にも欠かせない和菓子なのです。

 

特徴的なのはこの形状。

えがわ水羊かん外箱

えがわ水羊かん全体1
大きさ(内枠)は縦22cm×幅16cm×高2cm

 

和菓子屋の水羊羹は一切れずつ または器や竹筒に入っているものが多いのですが、
えがわの水羊かんは平たいプラスチック容器に注がれ、同型の紙箱で販売されています。
元々は水気に強い漆塗りの木箱に流し込み、軒先などで冷やし固めていたそうです。
それを添付の木べらですくっていただきます。

えがわ水羊かん木べらえがわ水羊かん一切れえがわ水羊かん容器

ここ10年ほど配送ばかりで記憶が曖昧なのですが、現地で購入するものは、容器底の凸凹がなく平らで 水羊かんに切れ目が入っていた気がします。

えがわ水羊かん容器底部
初めていただいた時に「切れ目があるでー、そのまま食べられるでのー」と言われた覚えがあるんですよね。
羊かん上の透明フィルムも現地購入のものはペロンとのせているだけでしたが、配送用は液が漏れないようピッタリと包装され剥がすタイプになっています。

えがわ水羊かん全体2

原材料は、特上黒砂糖・ざらめ糖・厳選小豆のこしあん・寒天。防腐剤・保存料は不使用。

ぷるんぷるんの水ようかんを口に含むと、きめの細かさがよりわかります。
夏の水羊羹より軟らかめ。成型しづらいだろうことを考えると、箱売りは理に適っているのかもしれません。

黒砂糖の風味をまず感じます。全くしつこさがなくふわっと鼻に抜けるとても上品な甘みです。
滑らかで喉ごしがよく甘さ控えめ。1箱抱えて召し上がる方もおられるそう。
手が止まらなくなってしまっても自己責任で(笑)。

えがわ水羊かん盛り付け

 

先日福井へ出かける予定があり、えがわさんの工場見学を予約していたのですが、福井行きが中止となってしまい見学も諦めることとなりました。
電話口の社長は大変気さくな方で、お話を伺うのが楽しみでしたので残念です。
今回は水ようかん製造レポをお届けできませんでしたが、またの機会にきっと報告させていただきますね。

えがわの水ようかんの製造販売期間は、11月1日から3月末日まで。
全国各地へ発送してくださいます。日持ちは製造日から5日。
電話・FAXにてお問い合わせ願います。
また、都内アンテナショップでも取扱いがありますのでご利用ください。

老若男女に喜ばれる、福井えがわの水ようかん。
暖かいお部屋で一家団欒のお供にいかがですか。

 

【(有)えがわ】
住       所:〒910-0024 福井県福井市照手3丁目6-14
電話番号:0776-22-4952
FAX番号:0776-22-5200
U R L:http://www.egawanomizuyoukan.com/shop/

【福井アンテナショップ】
<青山店:ふくい南青山291>
住       所:〒107-0062 東京都港区南青山5-4-41 グラッセリア青山
電話番号:03-5778-0291
<銀座店:食の國 福井館>
住       所:〒104-0061 東京都中央区銀座1-3-3 銀座西ビル1F
電話番号:03-5524-0291
U   R   L:https://fukui.291ma.jp/

執  筆  者:加藤三和子