多くの文化財や美しい景観で名高い鎌倉。
海も山も街も歴史的建造物も楽しめることで、通年賑わいが絶えないスポットです。
江ノ島電鉄長谷駅から徒歩約5分、必ずや足を止めて外観を見まわし 中を覗いてしまう店構え、そこが力餅家(ちからもちや)です。
私が高校生だった時に鎌倉遠足があり、グループでコースを決めて寺社を巡るというものでしたが、
私の第1希望はお寺でも神社でもなく、この力餅家でした。ええ、この頃から変わっていません(笑)。
残念ながら全く違うコースだったため、そばを通ることも叶わなかったのですが、
その後初めてこちらを訪れた時の感動を、今も忘れることはありません。
このことを友人に話したら、「そんな前からある店なんだー」
いやいや・・・高校時代もだいぶ前だけど、力餅家は創業1690年、江戸時代から続く老舗の和菓子屋です。
名物は「権五郎力餅」。
近くの御霊神社に祀られている“鎌倉権五郎景正”が大変な力持ちだったことから、この力餅が生まれたという逸話があります。
原材料は、小豆・砂糖・もち米のみ。
添加物は一切使用していないあんこ餅です。
近頃はいつまでも軟らかい餅菓子がありますが、
力餅家では毎朝炊くもち米のつきたてを販売しており、賞味期限は当日。
翌日には硬くなってしまいます。
お土産にしたい、翌日も食べたいという方には、求肥(※)を使ったものもあります。賞味期限は3日。
※求肥(ぎゅうひ)=白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練り上げたもの
あんは、炊いた小豆をこして丁寧に練り上げた自家製。
きめ細かな舌ざわりながら、餅の弾力に負けない存在感。甘みがしっかりと感じられます。
あんと餅のバランスがまたちょうどよいのです。
春は季節限定のよもぎ餅となり、心待ちにしている方が多いそう。
あんも餅も一番旨い状態で提供し、時代は変わっても製法はそのままに鎌倉の味を守り続ける力餅家。
300余年の歴史ある甘味を、鎌倉を訪れた際には是非召し上がってみてください。
住 所:〒248-0021 神奈川県鎌倉市坂ノ下18-18
電話番号:0467-22-0513
執 筆 者:加藤三和子