京都の西、桂離宮の側にある和菓子屋さん「中村軒」。
桂といえば中村軒、中村軒と言えば「麦代餅(むぎてもち)」が名物です。
今回はその名物「麦代餅」をご紹介。
パッケージには味わい深い絵が描いてあります。裏には麦代餅の説明が書いてありました。
それによると、麦代餅、というのは昔、農作業の合間の軽食として重宝され、お店から直接、田畑に配達されていたのだそうです。
支払いは農繁期が終わった後に、収穫された麦で支払ってもらっていたそうで、そこから「麦代餅」という名前になったのだとか。
物々交換ですよね~!
お餅とは別に、きな粉の袋が添えられていました。
これをかけて食べるようです。
ではさっそく。
お餅が、柔らかい…!!
その柔らかさは「びよ~ん」と伸びる感じの柔らかさではなくて、ふわふわした感じの柔らかさです。だけど、噛んでも噛んでも、しっかりと跳ね返ってくるような弾力のあるお餅で、この食感は初めてかもしれません。
中にはさんであるのは粒あんです。
この弾力のあるお餅に、もし水分が少なめのあんこがはさんであったら、さすがにちょっと食べにくいかと思うのですが、そこは水分が多めの、お餅にスッと馴染むようなあんこで、とてもバランスがいいように感じました。
このあんこだけを食べてみましたが、ほとんど砂糖の甘みを感じませんでした。ごく淡い色合いの粒あんです。
これがお餅と合わさって、さらにそこにきな粉の香ばしさがプラスされると、何とも言えない、ちょうど良い甘みになって口の中に「麦代餅」の味として広がるんですねえ。コラボってこういう事なのか、と妙に納得してしまいました。
このあんこは北海道産のあずきを使い、昔ながらのかまどで、薪の火で炊くのだそうです。今でも!
原材料も国産のもち米、砂糖、小豆、きな粉。
本当に昔ながらの材料と製法で出来たのがこのお餅で、昔、畑に配られていたのと同じ味わいなんでしょうね。
そう思うと確かにこの味わいは、「スイーツ」というよりは、農作業の合間に食べる「軽食」に近いなと思いました。お腹にもたまります。今、改めてパッケージを見ていましたら、商品名は「麦代餅ミニ」とありました。今回食べた麦代餅は、普通の和菓子のサイズですが、これがどうやら「ミニサイズ」であるようです。本当の麦代餅はもっと大きいんですね。と、なると本当に「軽食」の役割があったんだろうなと思います。
保存料などの添加物が一切使われていないので、作られた日が消費期限。個包装でもないので、夜には乾燥してお餅が固くなるのではないかと思います。
そんな訳で、「麦代餅」は非常に弾力のあるお菓子なので、上品に菓子切りなどで一口ずつ切って食べようと思っても、難しいです。畑で食べる気分でかぶりつくのが正解かも。ただしその場合、きな粉でむせる可能性がありますのでお気をつけて!
中村軒
京都市西京区桂浅原町61
(075)-381-2650