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北海道が、日本のなかで小豆の産地として向いている理由 | Azuki - Red beans webmagazine

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北海道が、日本のなかで小豆の産地として向いている理由

北海道が、日本のなかで小豆の産地として向いている理由

北海道は、日本のなかで、小豆の生産量の約9割を担っています。

そういわれて、北海道は広いからなあとか、寒いから向いてるのかなあとなんとなく思っていましたが、具体的にどう向いているのでしょうか。
あずき博士の加藤淳先生にお教えいただきました。

 

火山性土壌だから

省エネ・環境調和型農業をすすめるヒントになる根粒菌のお話しをお聞きした記事「健康だけでなく、土にも効く小豆」でもご紹介したように、小豆の根っこにでは、根粒菌がたくさん働いています。

その根粒菌が働く土の条件は、空気がたくさん含まれている必要があるのだそうです。
北海道は、火山性土壌が多いため、小豆の栽培に向いているといえます。
というのも根粒菌が窒素固定の働きをするには、酸素を必要とします。
火山性土壌は、空気をたくさん含むため、根粒菌も働きやすくなるわけです。
ふかふかした火山性土壌の北海道は、小豆が育つ土壌環境として向いていると言えるのですね。

 

成熟期間が長く取れるから

北海道で小豆が育っているから、小豆は寒さに強い作物なのかと筆者は勝手におもっていました。
ところが、どっこい。
小豆は寒さに弱い作物なのだそうです。

日本では和菓子の材料である餡にする用途で小豆が消費されるため、和菓子向きの小豆の品種が残ってきました。(参考 関連記事「小豆のルーツと、いま世界に広がる小豆、これからの小豆」)。

つまり粒が大きく、そして色が赤くてきれいなものが求められてきました。

北海道ではこの和菓子向きの小豆の生育に向いている気候と温度環境なのだそうです。
例えば小豆の一粒づつが大きくなるためには、花が咲いてから、実がなるまでの成熟期間が長い方がよく、北海道ではおよそ2か月の期間があるのだそうです。
もし、花が咲いた後に早く成熟し、1ヵ月もかからない期間で実が成ってしまったら、小豆の一粒づつが小さく、色が黒くなる傾向があるとのこと。

そして、寒すぎてはいけないのは、霜に当たってしまうと、小豆が全てダメになってしまうからだそうです。
なので、9月下旬に霜が降り始める北海道の小豆農家さんは、小豆の成熟期間と、収穫時期の天候との両方の面からとても気を遣うそうです。

 

今後の地球規模の気候変動にも対応する小豆に

今後、地球規模の気候変動が起こることが取り沙汰されています。
暑くなる方向の予測もあれば、氷河期が来る方向の予測も。

その時、日本のなかで主な小豆の産地である北海道はどうなっていくのですか、小豆の産地は変わってゆくのですか、と聞いてみました。
すると先生は気候変動の環境に合わせて、それでも北海道で育つとか、それぞれの地域でうまく育つ小豆を目指して、今後品種改良してゆくことで、小豆の産地を守っていきたい、そして広げていきたいとのお話しいただきました。

気候が変わっても、未来においておいしい小豆が食べられるというお話しに、小豆の産地の未来も明るく感じました。

お話しありがとうございました。

和田美香

2018/2/2取材

<取材協力>
加藤 淳 様

加藤淳博士
加藤淳博士

地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 道南農業試験場 場長。農学博士。
北海道帯広生れ。帯広畜産大学大学院修士課程修了。北海道立中央農業試験場、北海道立十勝農業試験場、オーストラリア・クイーンズランド大学で豆類の品質・加工適性などを研究。
「あずき博士」として、講演活動や小豆をはじめとした豆の普及に幅広く取り組んでいるほか、世界でも小豆の第一人者として国際雑穀会議などにて研究発表活動も精力的に行う。主な著書に、『「あずき」のチカラはこんなにすごい!』(ロングセラーズ)、『小豆の力』(キクロス出版)など。監修に『あずき水ダイエット』(宝島社)など。

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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