Warning: getimagesize(/home/mikangumi/azuki.tokyo/public_html/wp-content/uploads/2018/07/d9c9e370bd5fd667450cfc9ffa251c0d.jpg?v=1603756525): failed to open stream: No such file or directory in /home/mikangumi/azuki.tokyo/public_html/wp-content/themes/dp-magjam/functions.php on line 1062
和菓子屋さんの1日 | Azuki - Red beans webmagazine

小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

和菓子屋さんの1日

和菓子屋さんの1日

ちいさいとき、パン屋さんや豆腐屋さんの一日って朝はやいお仕事なんだなあ、と絵本で読んだ記憶ありませんか。

 

和菓子屋さんも、朝早くから始まるお仕事です。
和菓子職人さんの1日を追った絵本作品があれば、子供にもより身近な食べ物になるだろうにと探して見たのですが、みつけられませんでした。

丸寿の岡崎秀一さん

 

であれば、まず記事にしてみよう、ということで和菓子屋さんの1日について、取材させていただきました。

お話をお聞きしたのは、神奈川県藤沢市にある 御菓子処 丸寿 のご主人様 岡崎秀一様です。

 

朝は朝生(あさなま)づくり

 

和菓子屋さんは、朝早起きです。
忙しい季節、そうでもない季節など、1年でいろんなときがありますが、遅く起きる季節でも朝6時前には起きています。

 

朝起きて一番にすることは、まず、ボイラーの点火をして、蒸気をあげる準備です。

 

このボイラーの点火は、朝起きて、顔をあらったりなど身支度を整える前、なによりも一番先に、行います。
なぜなら、和菓子づくりでは、蒸気をやすませず段取りよく仕事をすすめることが、一番大切だからです。

ボイラーの点火を終えてから、着替えなど身支度を整え、朝生(あさなま)づくりにとりかかります。

 

朝生とは、その日につくって、その日に売り切る菓子を指します。
たとえば、お団子、柏餅、桜餅、大福、おはぎ、お饅頭など。

水ようかん

葛桜

 

あんだんご上新粉をこねて、蒸気で蒸す。
蒸している間に、お饅頭のタネをつくっておいて、蒸気で蒸しあがったらその上新粉を臼で搗(つ)いて、冷やし、今度はお饅頭を蒸す。
蒸気を休ませないためには、段取りが大事で、次の仕掛けが何段にも平行して行われるのですね。

 

そうやって、朝生ができたら、やっと朝食、開店準備です。

時間は、もう8時頃です。

 

ちなみに、お話しをおききした丸寿さんでは、朝7時半に開店されています。
青果市場が隣にあった丸寿さんは、「出来てる?」と、朝早くから菓子づくり真っ最中の工房に顔をだされる出入りの方が多かったそう。
だったら、まだ菓子がそろっていなくても、工房に顔をだしてくださるぐらいなのだから店を開けようと、昔は朝6時に和菓子店を開店させておられたそうです。
青果市場が移転したあとも、「あの店は朝早くから開いている」と地元の方に知っていただけているため、通勤前に手土産を買いに来てくださる朝早いお客さんが変わらず多く、そのため7時半の開店におちついたのだとか。

 

和菓子屋さんが、ご自宅と工場と店が同じ場所でやっておられるのが多いわけも、伺えますね。

 

午前 中生(ちゅうなま)づくり

 

朝食を済ませ、開店の準備も終え、午前は、中生(ちゅうなま)づくりとなります。
中生は、喰い口(くいくち)ものとも呼ばれます。

朝生よりは、日持ちが2~3日といくぶんか長いもので、かといってギフトほど長持ちさせられないものが、これにあたります。
たとえば、かのこ、黄味しぐれ、もなか、どら焼き、鮎、など。

金魚鉢
どら焼きは、朝生にしておられるお店もあるし、脱酸素剤をいれて中生にしておられるお店もあるとのこと。

 

この午前の時間は、1日のうちで、ご来店のお客様が多い時間帯でもあるそうです。
なので、店頭での対応がいそがしいときは工房の手を休めなければなりません。

また、配達で出かけたりもするのも午前中が多いのだとか。
なので、午前中は、必然的に、少しも手を離せない朝生づくりや上生づくりをしない時間帯でもあるそうです。

 

そして、中生が終わったら、12時のお昼ご飯です。

 

午後 上生(じょうなま)菓子づくり

 

午後からは、集中が必要な上生菓子づくりや、また、ストックをもつことができるギフト菓子づくりの時間になります。

大庭城最中
夏の上生菓子

注文や、店頭在庫によって仕事の内容が調整されます。

 

餡は毎朝炊くのか?

 

和菓子屋さんは、毎朝、その日に使うあんこを炊いていると思われている、と、岡崎さんは笑っておっしゃっていました。

 

はい。その日に使う餡を、朝早くから炊いておられると、わたしもお話しをおききするまでそう思い描いていました。

 

いえいえ、熱々の餡を菓子につかうわけにはいかないでしょう、と岡崎さん。

それに、小豆の芯までじっくり砂糖をしみこませるために、うちではね、餡を2日にかけて仕上げてるんです。
1回つくって、3日ぐらい冷蔵庫で保管する量の餡をつくっているんですよ。

 

そうでした。よく考えると、家庭で餡をつくったときも、練り上げた餡を冷ますのに時間がかかりますね。

 

和菓子屋さんの絵本が将来できあがるまえに、今のタイミングで教えていただけてよかったです。

 

あなたの好きな和菓子屋さんはどんな形ですか?

 

お話しを伺った丸寿さんは、朝生から上生菓子、カステラなどギフトまであつかっておられる総合和菓子店です。
なので、丸寿さんだから、職人さんの一日は、こんな風になるんだとおもわれるかもしれません。

 

でも、朝一番にボイラーの点火をして、朝生づくりから始まるのは、だいたいどんな形の和菓子店も同じで、忙しい季節もそんなに順番は変わらないそうです。

 

好きな和菓子屋さんがあられたら、「いつも朝早いんですか?何時に起きられるのですか? 朝一番になにをされるのですか?」って、根掘り葉掘りぜひお聞きになってみてください。

 

あなたの和菓子屋さんの一日にも詳しくなれたら、菓子も、もっと身近に、そしておいしくなること請け合いです。

 

執筆 和田美香

撮影  野島芳美
取材日 2018/7/11

 

情報提供 御菓子処 丸寿 岡崎秀一様

御菓子処 丸寿

丸寿さま

(運営 有限会社丸寿菓子店)
神奈川県藤沢市羽鳥3-20-9
tel.0466-36-7938
http://www.shonan-sh.jp/shop/marusu

 

和菓子屋さんと一口にいっても、いろんな形態の和菓子屋さんがあります。
和菓子屋さんの紹介をした記事もご参照ください。
https://www.azuki.tokyo/archives/2338.html

和菓子屋さんは、朝から夕方までこんな風にお仕事されてるんだよと伝えてくれる絵本作家さんと、いつか出会いたいな。
パン屋さんや豆腐屋さんの絵本のご紹介。

からすのパンやさん (かこさとしおはなしのほん (7))
加古 里子

どんぐりむらのぱんやさん (どんぐりむらシリーズ)
なかやみわ

パンやのくまさん (世界傑作絵本シリーズ―イギリスの絵本)
フィービ ウォージントン
https://www.amazon.co.jp/dp/4834002128/ref=cm_sw_r_cp_ep_dp_4EbuBbC4T39QC

おとうふやさん (かがくのとも絵本)
飯野 まき

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
Return Top