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京都大納言は、最先端の工夫がつまった小豆って知ってましたか?

京都大納言は、最先端の工夫がつまった小豆って知ってましたか?

京都駅から嵯峨野線に乗り、保津峡を渡ってトンネルを抜けると、目の前が開けます。

亀岡盆地をかこむ山並みをデザインした新しい駅舎

亀岡駅までおよそ20分。

ここは、京都府中部の亀岡盆地。
下流に保津峡をもつ大堰(おおい)川左岸流域のここは、京都大納言の一大生産地になっています。

京菓子といえば、京都大納言です。
日本三大和菓子どころの中でも、京都は、もっとも和菓子店が多い地域です。
その京都の和菓子店の、京都らしい和菓子を支えるのが、京都大納言の生産地、亀岡です。

今日お伝えする京都大納言のキーワードは、「枠にとらわれない」です。

伝統と文化が守られているその裏側で、農業の業界最先端の様々な工夫が日々行われていることを知ったら、あなたもきっと、京都の印象が、農業の印象が変わります。

伝統が守られているから、菓子文化や大納言の生産が残り続けているのではありません。
新しいことをより早く取り入れるから、業界のなかで成長しつづけ、だから、いまもずっと伝統が守られるというポジションが維持されるわけです。

ビジネスでもそうですね。
現状維持は、死を招くだけということを、歴史はおしえてくれます。

京都大納言の生産の工夫の数々から、「小さくても一歩進みつづける」ことの大切さをわが身にふりかえってみませんか。

お話しくださったのは、京都大納言の大規模生産をてがけておられる、農事組合法人 河原林 代表理事 加藤 邦廣様です。

畑のひろがりが一望できる高台からみた亀岡盆地。

亀岡と京都大納言のかかわり

亀岡は、丹波の南に位置します。
京都大納言は、昔からここ、丹波で作られていました。
しかし、小豆のさやが熟れたものから順に手で収穫するという従来の収穫方法では、増え続ける京都の和菓子需要に応じることができずにいました。

需要があるのに、応えることができない。
京都の菓子を支える大納言小豆を、需要に応える規模でつくっていこうではないか。
そうすることで、郷の農業も、京都とともに発展する道をあるこうじゃないか。

亀岡盆地の営農家があつまり、平成18年から、京都大納言の生産を増やす試みが始まりました。
5年あまりの試行錯誤を経て、平成23年、国家プロジェクトによる圃場整備も終わり、本格的な京都大納言の大規模生産がはじまりました。

熟れたさやのなかの京都大納言あずき。

 

小豆栽培の工夫

 

京都大納言の収穫量を増やすさまざまな工夫のなかで、特筆すべき点を3つご紹介しましょう。

一つ目は、北海道でつかわれているような、大型コンバインの導入です。
冷暖房完備のコンバインの導入により、単位面積あたりの収穫の生産性をあげることができます。

ピカピカに磨かれ大事にされてる高級車のようでした。

二つ目は、大型コンバイン導入のための、生産方法の変更でした。
たとえば、種の撒き方、撒く時期、雑草を取る方法や時期など。
目的としては、適した時期にコンバインで一斉に刈り取るために、さかのぼって一斉に種を植える必要があり、そして、一斉に雑草を取る方法や時期が必用だったからです。
そのため、従来、この地域で行われてきた小豆の生産方法とはがらっと大きく変える必要がありました。
しかもこの新しい生産方法は、毎年、すこしづつ変更が加えられ、ブラッシュアップされています。
作業量を減らしながら、いかに生産量を増やすかという方法を、毎年毎年ずっと模索しつづけておられる点は、仕事をする者としての鑑のように筆者には感じられました。
たとえば、畝のあいだを狭くしてみたり。
たとえば、畑ごとの統計を取って、生産量があがる輪作の組み方を変えたりすることで、より生産効率をあげるなどです。

三つ目は、まるで精密機械の工場内部のように、常に、乾燥や選別をする作業場の整理整頓 が保たれ、機械の整備がされているということです。
小豆や作物を大切にする気持ちが、生まれるのがわかります。
作業場をみて、ああ、大事に育てられた小豆たちが、大切に出荷されてゆくんだなと実感できるほどの美しい場所でした。

サヤから出した京都大納言。

郷と小豆を守るため

 

種を撒く方法ひとつ、雑草をふせぐ方法ひとつ、細かな試行錯誤がつみかさなってきたことをお話しくださった加藤さんに、なぜ、ここまでするのか、をお聞きしてみました。

郷での仕事を、次世代にも、その次の世代にも、積極的に選択してもらえる仕事にしていきたいからと、お話しくださりました。

農業は、泥でよごれて汚いとか、休みも取れずにしんどいとか、せやのに儲からんとかいうのではだめ。
ちゃんと儲かって、ほかの仕事についた同郷の仲間と同じように休みも取れる、そういう姿を次世代に見せていかないといけない。
儲かる仕事にしないと、自分たちの後、続けてもらえない。
もし、次世代が後に続いてくれなかったら、米や小豆を誰がつくるのか。
郷を、誰が守るのか。
だから、わたしたちは、未来にむかってやらなければならないことを今やっているのです。
そんなふうに、お話しくださりました。

河原林をはじめ、亀岡盆地の営農家さんたちは、未来の京都、未来の日本を見据えて、京都大納言づくりに取り組んでおられるのを、お話しをお聞きして初めて知りました。

食べてしまえばただ「美味しいね。京都大納言は、やっぱり粒が大きいね」というだけにおわっています。

わたしたちの口に入る前の段階で、工夫が積み重なっているからこそ、京都大納言を食べられるということも思い浮かべながら食べると、京菓子のありがたさも、ますます増しますね。

加藤さんは、「わたしたちの京都大納言は皮が柔らかいと言ってもらえるんです」って嬉しそうにお話しいただいてました。

ぜひあなたも、京都大納言飲の菓子をみつけたら、艶と大きさと、そして皮の柔らかさを感じてみてください。

京菓子を支える京都大納言小豆の生産地の取り組みを聞くと、最先端の工夫が活きる仕事は、IT の世界だけ、金融の世界だけじゃないんだ。
いかに私たちの生活が未来にむかって、子や孫も含めてよくなるか、それを模索し大小さまざまな行動と工夫をつみかさね続けることを一人一人考えることが必要だということを教えてくれます。

未来をよりよくするための工夫が、小豆でも実現されています。
小豆や和菓子って、ただ伝統というだけでなく、未来をつくる食べ物とおもって食べる楽しみがまた増えました。

河原林の加藤さん、お話しありがとうございました。

農事組合法人 河原林 代表理事 加藤 邦廣様

農事組合法人 河原林
事務所所在地 京都府亀岡市河原林河尻高野垣内49番地
電話 0771-56-8510
http://www.noujikumiaikawarabayashi.or.jp/

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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