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食べ物を口にすることの意味深さを改めて感じた、四十九日餅を食べるわけ | Azuki - Red beans webmagazine

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食べ物を口にすることの意味深さを改めて感じた、四十九日餅を食べるわけ

食べ物を口にすることの意味深さを改めて感じた、四十九日餅を食べるわけ
あなたの体は、食べたもので出来ている。
健康な身体をつくるために、食への関心を高める啓蒙の意味でよく聞きます。
拡大解釈すると、食べ物を口にするのは、ただ健康のためだけでなく、私達がもともと持たない違う力を、口をとおして体の内側に取り入れる行為ともいえます。
日本の文化のなかで、死者をしのんで食べる四十九日餅も、実は、「私達の内側に、パワー(力)を取り込む」意味があるのではという考えがあることをおしえていただいたので、ご紹介します。
神奈川県藤沢市にある 御菓子処 丸寿のご主人 岡崎修一様 から、お話しをお聞きしました。

四十九日餅を食べる時

お寺で法要していただいたあと、小さいほうだけを、持ち帰るそうです。
お寺で法要していただいたあと、小さいほうだけを、持ち帰るそうです。
「これ骨壺の中の骨の様子に似てませんか」、と声をかけてもらったのがきっかけで、四十九日餅から「食べること」の意味に興味を持ちました。
四十九日餅を食べるときはどんなときか、おさらいしておきましょう。
日本の仏道では、亡くなった人の魂は、49日間、家の軒下にまだ留まっていて、49日目に極楽へ旅だってゆくと考えられています。
魂が家を離れる49日目に、「四十九日」という法要が行われ、そのために親族一同が集まります。
この四十九日の法要とき、お寺に四十九日餅をお供えします。
法要の後、お供えした四十九日餅のなかの親餅だけをお寺から持ち帰り、切り分けて親族一同で食べます。

死者のための四十九日餅

四十九日餅をお供えする意味は、故人のよい後世のためにお供えするという解釈が一般的です。
例えば、極楽浄土へ行くまでに四十九の辻があり、辻ごとにたっているお地蔵さんにひとつづつ餅をお供えしていくことで、極楽浄土へ無事たどり着けるといわれます。
また他にも、故人が地獄などの世界に行ったとき、手足など身体のあちこちに釘を打ち込まれるので、この四十九日餅を作って地獄の鬼類に献ずることによって、釘が餅に当り、故人が苦痛を受けずにすむともいわれます。
いづれの説においても、四十九日餅が、死者にとって大切で必要なものという視点が伺えます。

生きている者のための四十九日餅

しかしながら、葬式や法事は、残された者のために行う儀式という意味合いもあります。
いまも日本の各地で、骨噛みという、葬式のときに骨を噛む風習もしくは社会文化的儀礼が残っているといわれています。
骨噛みは、死者の生命力や能力、権力を受け継ぐ儀式と解釈されています。
この骨を噛む儀式が、時間をへて形骸化し、噛むものが骨から餅にかわり、その餅を皆で食べるのが四十九日餅ではないか。
餅を、親族一同で分けて食べる行為は、亡くなった者の力を受け継ぐ骨噛みの儀式が餅に変わっていたのではないか。
岡崎様は、そうお考えでした。

食べることの意味

岡崎様から教えていただいたように、四十九日餅を「骨壷のなかの骨に見立てた餅」として目にしてみると、仏教や神道が整備されてきたそのもっと昔から、深くながれている日本の精神文化の痕跡が、いままだ残っていて、それがひょっと餅や飾り菓子をとおして顔をだして見せているような気持になりました。
これから生きてゆく者が儀式として食べる四十九日餅という解釈は、食べ物を口にすることで、身体に取り入れる力が、ただ栄養素やカロリーだけでなく、想いや、力といった目に見えないものすべてを、わたしたちは日々取り込んでいることにも気づかされました。

繫ぐ人としての和菓子やさん

いま、四十九日餅だけでなく、葬式や法事でつかう飾り大福や春日饅頭、葬式饅頭も、ほとんどのお供え物は、和菓子屋さんで作られます。
お供え物を作る和菓子屋さんは、甘い楽しみの菓子だけでなく、想いや、文化までも運ぶ大切なつなぎ手なんですね。
だから日本では、ずっと和菓子屋さんが大事にされて、必要とされ、残ってきているのだなあとも感じたエピソードでもありました。
岡崎様は「餅が骨に見えるのは、これは私の意見ですけどね」といいながら、和菓子屋さんが関わる奥の深い世界をのぞかせていただきました。
ありがとうございました。
執筆 和田美香
情報提供 御菓子処 丸寿 岡崎秀一様
御菓子処 丸寿
(運営 有限会社丸寿菓子店)
神奈川県藤沢市羽鳥3-20-9
tel.0466-36-7938

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
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