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名付け親は豊臣秀吉! 長五郎餅本舗「長五郎餅」 | Azuki - Red beans webmagazine

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名付け親は豊臣秀吉! 長五郎餅本舗「長五郎餅」

名付け親は豊臣秀吉! 長五郎餅本舗「長五郎餅」

学問の神様、菅原道真を祀る北野天満宮。そのすぐ近くに店舗を構え、毎月25日の北野天満宮の縁日「天神さん」の日には境内で茶店を開く長五郎餅本舗。

そのお店の名を持つ名物「長五郎餅」をご紹介します。

それは薄いお餅にこしあんを包んだシンプルなお饅頭。
大きさはピンポン玉くらいの、お饅頭としては結構小ぶりです。

シンプル、と書きましたが、材料も国産もち米、小豆、砂糖に澱粉と、シンプルこの上なし。澱粉っていうのは表面にまぶしてある片栗粉ですね。

お餅に豆が入っている訳でも、ましてや中にイチゴや栗が入っている訳でもない。
見た目も、昨今重視されている「インスタ映え」とやらはどこ吹く風、と言う感じの、潔いくらいのシンプルさです。
今回、このお菓子を紹介しようとしたものの、店頭でそのあまりにシンプルな姿を見た時、「インスタ映え」という言葉が一瞬頭をよぎって、決断に迷いが生じかけたくらいです(笑)

しかし…!!そのシンプルさを極めた姿の後ろには、姿とは対照的なストーリーが隠されているのです。

豊臣秀吉が全国をほぼ統一した頃。北野天満宮では、境内で河内屋長五郎が売っているお饅頭が美味しいと評判を呼んでいました。
そして1587年、今から430年前。秀吉が北野天満宮で北野大茶会を開きます。この時、秀吉がこのお餅を食べていたく気に入り
「以後、この餅を長五郎餅と名乗るべし」と言ったのだとか。

秀吉が食べた味を、今こんなにも気楽に味わえることに驚きつつ、この小さなお饅頭を食べてみます。
つまむとふにゃりと柔らかく、口にするとお餅が柔らかく程よい主張で伸びます。
中身は軟らかめの漉し餡。あんこ自体にしっかり甘みがついていて、漉し餡特有のサラリとした口当たりが心地よく味わえます。

食べた時の、全体としての感想は「実に、普通」。
そう、見た目同様、何か突出した特徴がある訳ではないんです。
だけど、お餅にこしあんを包んだ「お饅頭」としての味わいの要素をすべて、完全に高いレベルでクリアしている、という感じ。
すべてが同じレベルで揃っているからこそ「普通」だと思ってしまうけれど、その揃い方が相当ハイレベルなのです。

食べる人がこのお饅頭を見た時に抱く期待に、完璧にこたえてくれる。だから食べると、思わず
「そうそう、これこれ」
と言ってしまうのです。そして、小さいから思わず2個目に手が伸びる…。

考えてみれば、これほどシンプルなお饅頭で400年以上も人々に親しまれているのですから、「普通」であろうはずがありませんよね。天下人も愛でたこのお菓子、見かけたらぜひ一度、味わってみてください。

長五郎餅本舗
所在地   京都市上京区一条七本松西
電話番号  (075)461-1074(代表)

http://www.chogoromochi.co.jp/index.html

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Shizu
帰らない京都観光客、こと、shizuです。

福岡県生まれ、京都在住20年。
15歳で初めて京都に来て以来、毎年京都を訪れるようになり、結局住みついてしまった京都中毒患者。
旅するように暮らしながら、日々観光客目線で京都の街を楽しんでいます。
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