小豆と和菓子が主役のライフスタイルマガジン

あんこは、小豆の煮ものとおもえばいいんですよ。 御菓子処 丸寿 その2

あんこは、小豆の煮ものとおもえばいいんですよ。 御菓子処 丸寿 その2

藤沢市羽鳥にある、御菓子処 丸寿(まるす)さんのご主人から、丸寿のあんこの作り方の秘訣をおそわりました。

教えて下さるのは、3代目の岡崎 秀一さん。
岡崎さんは、和菓子職人の修行時代に、老舗の海外進出時、羊羹工場の工場長をやってもらえないかと打診があるほどの腕前だったそうです。

和菓子店のあんこが目指すおいしさのピーク

大庭城最中のなかは、つぶがしっかりのこっているやわらかな餡です

 

最初に岡崎さんから、これからお伝えするレシピは、一般家庭であんをつくるときのレシピとはすこしちがってくるかもしれませんね、と、お話しがありました。

同じ餡をつくるプロでも、和菓子教室の先生と、和菓子屋、懐石料理店の菓子担当とで、工程が違うそうです。
それは、その場でたべていただくときにベストなものをお出しするのと、時間がたってから食べていただけるものをつくるのとでは、美味しさの伝え方がどうしても違うからだとか。
和菓子は生鮮食品といえども、持ち帰る時間があるのとないのとでは、大きな違いがあるのですね。
だから、家庭でつくる餡づくりのレシピは、料理研究家さんが多く、それはその場ですぐ食べられる餡をつくるから、理にかなったレシピ紹介なのだそうです。

日持ちがするしないというだけでなく、同じその日にたべるとしても、持ち帰る時間があるかないかが、作り方にかかわってくるのは、餡はほんとにう繊細な食べ物なのですね。

丸寿さんは、持ち帰ってたべていただく菓子をつくっておられる菓子処です。

 

丸寿さんのあんこづくり教室

丸寿さんの製餡の鍋です。熱がよくつたわるように、銅です。

1、小豆は前日の晩から水につけない

理由は、小豆の皮にバクテリアがついていて、水につけると増えてしまうからだそうです。
バクテリアが増えると、あんこに仕上がったとき、えぐみがふえます。

2、小豆 と、小豆の頭がかくれるぐらいのひたひたの水分量とを鍋べ入れ、すぐ火にかけます。

3、沸騰させます。

4、水を足します。これを「しわのばし」もしくは「びっくり水」といいます。

なぜここで水を足すといいのか。
それは、皮の外側は沸騰した温度で熱いけれど、豆の中はまだ低い温度のままで、中と外で温度差がある状態だそうです。外の温度を一度下げて、豆の中と近い温度にすることで、豆の中に水がゆっくり吸水され、皮がピンと伸びるかとです。

5、再び沸騰させます。

6、鍋ごと小豆をざるにあげて、水切りをします。煮汁はすててください。これを渋切といいます。

7、さらに、今度は、ひたひたよりも、もっと水をたっぷりいれ、再度沸騰させます。

7、5と6の7の行程をお好みで何度か繰り返してもかまいません。渋切りをくりかえす回数が増えると、あっさりした餡の味になります。

8、沸騰したら、弱火にして20分ほど煮ます。

9、皮のやわらかさがお好みの具合になっから、火を止めます。

10、火を止めて20分ほど、蓋をして蒸らします。

理由は、蓋をして蒸らすことで、さらに豆の中まで吸水がすすみ、小豆がよりふっくりするからです。

11、ざるにあげて、水切りします。煮汁はすててください。

 

12、砂糖を加え混ぜます。

砂糖を加えると、小豆のなかに沁みこんでいた水分がでてきて、煮汁がなくても、ぜんざいのような水分が多い状態になります。

13、そのまま一晩放置します。

放置の理由は、餡が、煮物と同じ考えだからです。煮物は、温度かゆっくり下がるときに、味がゆっくりとなかまでしっかりしみこみます。
もし、中までしっかり砂糖がしみこまなかったら、豆の中に入る砂糖の量が少なくなり、あんこの豆汁(「ゴ」と読む。皮からでてねっとりしている部分)に砂糖がたくさんとどまってしまいます。
豆の中と、豆汁(ゴ) のなかの砂糖の分量がちがってくると、口のなかに餡を入れたとき、豆汁(ゴ)にとどまった大量の砂糖ゆえに強い甘みが最初舌にのり、甘くない豆が口のなかにのこるため、後味が弱い餡になります。

14、翌朝、火を入れて、餡に練り上げます。

火を入れて練り上げることで、小豆のなかから豆汁(ゴ)がでてきて、ねっとりおいしい餡になります。
練りあけ具合は、お好みの、粘りで止めます。

ちなみに、粘りが強いほど、餡の味が甘く感じられます。
理由は、口のなかにくっつく時間が増え、その分、甘みを刺激する時間が長くなるため、甘さを強く感じます。

15、塩をいれたいとき、水飴を入れたい時は、練り上げが終了する1分前にします。

これで出来上がり。

丸寿さんの蒸しはここでされています。

和菓子店の餡は時間がすごくかかっているのてすね。
azuki編集部であんこづくりイベントをするとき、小豆をもっとご自宅で身近に炊いていただきたくて、「1時間あったらすぐできます。簡単に扱える豆なんですよ、小豆は」とご紹介しています。

素人とプロのちがいは、あんこを、豆の煮ものととらえるかどうかなんですね。

あんこは、豆の煮ものという言葉から、手間暇の掛け方がおいしさにつながるということ、学ばせていただきました。

岡崎さんありがとうございます。

御菓子処丸寿の岡崎さんをご紹介しています。その1もあわせてお読みください。

丸寿の岡崎秀一さまご紹介記事

 

御菓子処 丸寿

(運営 有限会社丸寿菓子店)
神奈川県藤沢市羽鳥3-20-9
tel.0466-36-7938
http://www.shonan-sh.jp/shop/marusu

ABOUT THE AUTHOR

Azuki編集部編集長和田 美香
むくみやだるさで仕事も子育ても苦しかったとき、小豆玄米ごはんや、オリジナルの小豆シリアルを毎日食べることで、調子をとりもどす経験をする。もともと美容業界で働いていており、内面から輝く美容には、毎日の食も大切と実感していたことから、小豆のよさを世界の女性に伝える大使としてAzuki.tokyoの活動を始める。
Return Top